「行徳モスク」の名前で知られる市川市のイスラム教礼拝堂が、伝統的な祭りである「犠牲祭」に合わせた文化交流の場として近くの市立公園の使用を市に申請したが、開催間近になって担当課から突然、申請取り下げを求められたことが、同モスクへの取材で分かった。モスクの関係者は「長年認められてきたのに、なぜ」と納得できない表情だ。
「行徳モスク」は東京メトロ東西線行徳駅近くにある。イスラム教の宗教法人が所有・運営し、「本部」として国内に数カ所ある系列のモスクを統括する。1997年の設立時から毎年のように、犠牲祭の日には行徳モスク前の南沖公園の一部を使って数分間の礼拝や出店を出しての交流活動を行ってきた。
代表役員の男性によると、今年も27日の実施を前にゴールデンウイーク明けに市に申請書を提出。だが、19日になって市公園緑地課から突然申請取り下げを要請された。翌日、市役所で改めて話し合ったが、物別れに終わった。
市幹部に「犠牲祭の日は通常より多くの人が集まる。公園を利用できないと施設から人があふれ、近所に迷惑をかける恐れがある」と理解を求めたが、受け入れられなかった。市側は「人が公園に集まると近所の人が遊べなくなる」ことを理由に取り下げを求め続けたという。
公園緑地課によると、公園の使用許可は内規で基準が定められ、政治的、宗教的な主張が目的の活動は禁止。礼拝などは基準の範囲内と認められている。
同課の担当者は取材に対し、話し合ったことは事実上認めたが、申請取り下げ要請や理由については「個別事案には答えられない」としている。
代表役員は取材に「祭りでは近所の生活の妨げにならないよう注意し、終わると会場周辺でゴミ拾いをしている」と強調し、市に再考を求めた。
(小北清人)








