渥美雅子さん(84)は弁護士を続けて今年で58年になる。県内の女性弁護士の先駆けとして、女性法曹家が当たり前ではなかった時代を歩み、離婚や相続などの家族問題を多く扱ってきた。この道に進んだ当初、男性目線で配慮のない言動にも直面したが「依頼人の方からありがとうと言ってもらえてお金も頂ける。こんなに良い仕事はないですよ」と笑顔で語る。女性の社会進出が進んだと感じる一方で「役員や管理職に就くのも普通の世の中になってほしい」と願う。
静岡県浜松市で1940(昭和15)年に生まれた。父は税理士で、母は専業主婦。弟がいる。父からは「男に負けるな」と言われて育てられ、学生時代は勉学や演劇部の活動に打ち込んだ。高校では1学年350人に女性は15人。女性が入学するだけで目立つ時代だったという。
父に法学部を望まれ、中央大学の法学部へ進学した。司法試験に合格するために法学部の門をたたいた人が多かったのに驚いたという。自身は当時、司法試験を受けるつもりはなかった。大学でも夢中になっていた演劇に没頭した。
3年生ぐらいから就職を意識し始めたが、大学の就職説明会で就職係の人から「女子学生の就職あっせんはできないので自分で探してください」と言われた。
「『どうし...
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