県内で教職員による児童生徒へのわいせつやセクハラ事案が多発しているのを受け、県教育委員会は懲戒処分の指針について見直しを決めた。事案を黙認し管理職に報告しなかった同僚を新たに処分対象に明記し、違反時は減給か戒告にする。昨年3月の有識者会議からの提言を踏まえた対策強化の一環で、通報を徹底させて事案の早期把握や被害の拡大防止を図る。このほか、児童生徒との電子メールやSNS(交流サイト)でのやり取りは原則禁止に改め、わいせつ事案などの発生リスクを排除する。
(池田和弘)
新指針は7月以降の事案に適用する。わいせつなど「性暴力等事案」の処分対象で明示されていたのは従来、行為に及んだ教職員のほかは監督責任のある校長ら管理監督者までだった。
教員による児童生徒性暴力防止法では、同事案が疑われる際に「通報その他の適切な措置をとるものとする」と定めており、ペナルティを科し「通報義務」を確実に順守させる狙い。近隣都県で同僚を含めた例はなく、踏み込んだ格好だ。
本来は表面化しにくいはずの性暴力等事案が、県内では次々と発覚しており、教職員の懲戒処分は本年度に約3カ月で免職3件、昨年度1年間では免職11件、停職などを合わせ16件に上った(監督責任1件を除く)。10日の記者会見で県教委の担当者は「教職員の安全配慮義務を鑑みて知り得た場合に通報すべきとした」と指針改正の意義を強調した。
新指針ではこのほか、児童生徒とのSNSなどでのやり取りを原則禁止とし、「職務上必要がある」「管理職の許可がある」場合のみ認める。これまでは「管理職の許可なく」「私的なやり取り」をしていた教職員が処分対象だった。厳格化した理由について担当者は「SNSからつながりができ、(関係が)深まっていくことを重く受け止めた」と語る。
ネット上での交流から被害が拡大するケースは県内でも相次いでいる。10日の記者会見で公表した懲戒免職処分の事案では、20代男性教諭が勤務する公立中学校の女子生徒と卒業式後の3月にインスタグラムでやり取りを始め、ドライブに誘うなどしてキスや抱きしめる行為にまで発展した。
不祥事根絶に向けては昨年11月、県教委の有識者会議が2020年度以来5年ぶりに開催。協議内容を性暴力等事案に限定し、全5回の会合を経て取りまとめた提言を今年3月に杉野可愛教育長に示しており、今回の指針改正は対策強化の第一歩になるとみられる。









