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お祭りよりも田植えがいい…農作業を手伝う4兄弟「可愛い弟子が育ってますね」「これぞ、父の背中を見て育つ」

農作業を手伝う4兄弟(Instagram/@moki_noenより)

 お父さんと一緒に田植え作業に励む、8歳、6歳、4歳、2歳の男の子4兄弟。苗箱を運び、空になった苗箱を片付け、お父さんと一緒に田植え機にも乗る。その様子を収めた動画が47万回再生を超える反響を呼び、「可愛い弟子が育ってますね」「これぞ、父の背中を見て育つ」「こういう経験が大人になって生きる」などとコメントが寄せられた。田植えを手伝うようになったきっかけや普段の子どもたちの様子について、お母さんに話を聞いた。

【別カット】田んぼではしゃぐ姿も…力を合わせて田植えをする4兄弟

◆田植えのお手伝いに全力で取り組む4兄弟「農作業中は“一致団結”」

――4兄弟が田植えをする姿が話題になりました。当時の状況を詳しく教えてください。

「子どもの日に母方の祖父母、叔母と隣町のお祭りへ行く約束をしていました。お餅投げイベントが大好きで楽しみにしていました。ところが、出発の準備をしていたら、『田植えするぞー』と父が現れ、子どもたちも『田植えする~!』と言い出し、お出かけに見向きもしなくなりました。その日は、我が家の田植え開始の日であり、子どもたちはこの日を待ちに待っていました」

――お手伝いをする姿を見たときの感想は?

「公園やお祭りに誘うも、『田植えがいい!』と田植え機に乗り自然の風を肌で感じていました。繁忙期の忙しさを幼いながらも感じて協力の気持ちを示してくれる彼らに、父母ともに救われました。とても暑い日だったので、すぐに飽きるかと思いきや、すごい集中力で1日中、田んぼにいました。ずっと同じ手伝いをするというより、涼しさを求めて田んぼを裸足で駆け回ったり、水路で使用した苗箱を洗ったりと、とにかく楽しそうでした。自ら楽しさを見出す姿にただただ驚き、笑ってしまいました」

――兄弟で作業分担は決まっているのですか?

「長男は苗箱運びと父の助手、次男は苗箱運びと使用済み苗箱運びと片付け、三男は使用済み苗箱を運んで軽トラに乗せることと軽トラのあおりのロック、四男は使用済み苗箱を軽トラへ乗せることとひたすら兄のまねをすること。自分のやりたいことがちょうど4人で分散されていました」

――農作業をしているときの息子さんたちは、どういった様子なのですか?

「家の中や庭では兄弟の争いやけんかが絶えないのですが、農作業中は穏やかで、兄弟で力を合わせ、意見を出し合い、話し合いもしています。農作業中は“一致団結”です!」

◆「自分で考えて行動してくれます」農作業によって得られた子どもたちの大きな成長

――茂木農園では、いちご、お米、さつまいも、そばを育てています。家族で分担し、365日作物に関わっているそうですね。農作業を通して兄弟の絆も深まっていますか?

「長男は昔からやってきた自分の仕事をこなし、次男が三男、四男に指示を出してプレーが成り立つことが多いです。昔は少ない人数でこなしていた作業も、今は4人兄弟が揃って成り立っていると感じます。そして、農作業があるから、4人の絆は深まっているのだなと実感しています」

――息子さんたちを見ていて、ほっこりする瞬間などはありますか?

「我が家ではお手伝いをすると報酬がもらえます。どんな小さな子でも、頑張った証に何かを得られるのはうれしいはずなので、それを大切にしています。報酬は、お金、買いたいもの、食べたいものなど、自分で選ばせています。報酬をもらったときのうれしそうな子どもたちの笑顔にほっこりします」

――親としてうれしかった瞬間は?

「お手伝いで得た報酬によって、お小遣いが貯まっていきます。そして、家族の誕生日や父の日、母の日などに、4人が同じ額を出し合って、お小遣いでプレゼントを買ってくれます。『お誕生日おめでとう』『いつもありがとう』と手渡してくれる姿を見ると、私たちのやっていることは間違っていないのかなと、頼もしくうれしく感じます」

――農作業を通して、息子さんたちの成長や変化を感じることもありますか?

「毎年同じ作業をしていても、同じ作業風景にはならないくらい個々が進化しています。一度やったことは体に染み付いているようで、親が指示をしなくても、自分で何をするべきかを考えて行動してくれます。これを農作業でくり返していたおかげで、普段の生活でも生きています」

――学校生活などでも生かされている?

「多くの人や先生などから、『生きる力がある』『生活する知恵がすごい』『次に何をすべきかわかっている』『困っても泣かないし、人に頼らず自分でやり遂げようとする』と、8歳の長男はもちろん2歳の四男まで言われるようになりました。そういった言葉を聞くと、私たちの中であいまいだった息子たちの成長ぶりや変化が確信的なものになります」

――農作業を通して息子さんたちに伝えたいことはありますか?

「『協力し合うことの大切さ』です。農業は1人でもできる仕事ですが、時間と手間がかかり、仕事量にも限界があります。多くの人の協力によって何倍もの力になるし、一緒に取り組むことで自分の疲労感も半分になります。何より、1つのことをみんなでやり遂げたときの喜びやうれしさを感じて学んでほしい。そして、誰かを必要としている人に力を貸してあげられる、手を差し伸べてあげられるような人になってほしいです」

◆仕事への理解が浅く、嫁ぐ前は“農家”に抵抗も…「不安を消してくれたのは子どもたちだった」

――息子さんたちは、それぞれそのような性格なのですか?

「長男は好きなことへの集中力がすごいです。幼い頃から『これをやる』と自分で決めたことは、嫌がらずに何時間でも続けられる子でした。物心がついたときから田畑へ行っていて、お手伝いが大好きです。次男は大人顔負けの発想力で仕事の手助けをしてくれます。大人でも『どういうこと?』と一瞬理解に苦しむような発想を提案してくれます。誰よりも父の仕事に興味があり、とにかく何がなんでも仕事へついていきたい子です」

――三男さんと四男さんは?

「三男はマイペースでやさしく、とにかく人懐っこいです。兄とは争い合うけれど、弟にひどいことをされてもジッと堪えて攻撃をしません。母が少しでも『痛い』と口にすれば『大丈夫?』と気にかけてくれる子です。四男は行動や言葉がユニークで、見ているだけで面白い一番のやんちゃ坊主。彼の行動や言葉が家族を笑いに包んでくれます。兄たちにはなかったやんちゃさで、ドアや引き出しのロックをどれだけ付け足したことか…」

――息子さんたちと生活する中で、大切にしていることを教えてください。

「つい手を差し伸べたり、答えを導いて教えてあげたりしたくなるのが親です。でも、我が家は見守ります。それができるのは、『次は何をするんだろう?』というワクワク感があるから。我が子は大人がびっくりしたり、面白がったりすることをやりがちです。見守ることで、その驚きと面白さを味わえます。まだ幼いので、もちろん間違ったこともしますが、そのときに叱ればいい。そういう方針です」

――幸せを感じるのはどんなときですか?

「普段はけんかばかりで、やんちゃで服も毎日泥んこで、まだまだ手がかかりますが、Instagramに寄せられるコメントがうれしくて、幸せな気持ちになります。街を歩いていても多くの方が話しかけてくれます。本当に温かく幸せな気持ちになるような言葉ばかりです。『次は女の子を産まなきゃね』と言われて、悲しくて涙を流したことも昔はありました。でも、今ではそんなことは全く言われず、4兄弟をみなさんが温かく見守ってくださることに幸せを感じる毎日です」

――息子さんたちとの生活を通して強く感じていることは?

「農家へ嫁ぐ前は農家に抵抗がありました。農家の嫁として務まるのか、農家の子どもとして上手に子育てできるのかなどと思ってしまったのは、農家の仕事への理解が浅かったからです。その不安を消してくれたのは子どもたちでした。子どもたちが農家として生まれたことを嫌がったらと不安でしたが、農家の息子に生まれるべくして生まれたのではないかと思うほど、今を楽しみ、お手伝いに本気な姿があります。その姿をみなさんにお届けすることで、『農家が身近に感じられれば』『子育て世代に元気を与えられれば』と思っています」

――農業の現状を伝えるのも大事なことですよね。

「4兄弟の田植えには、『日本の未来は明るい』『日本の農業を任せた』など、多くの温かい声が寄せられました。『田植え』という日本にとって当たり前の風景が今は減少し、農業をする人材も減少しつつあります。この動画を観てくれた人の気持ちを無駄にすることなく、農家として子どもたちと共に土地や風景を守っていきたいと強く思いました。土や自然、人の温かさに触れている我が子と共に、未来の農業を、一次産業を明るくできればと感じています」"