近年、気候変動の進行に伴い、熱波や豪雨などの極端現象が顕在化し、企業経営に深刻な影響を与えています。World Economic Forumの『Global Risks Report 2026』では、「極端な気象現象」が今後10年間の主要リスクの上位に位置付けられています。また、ISSB「IFRS S2」やSSBJ「サステナビリティ情報開示基準」をはじめとする開示枠組みにおいても気候関連情報の分析・開示が求められるなど、投資家をはじめとしたステークホルダーとの対話を通じて、物理的リスクの評価・対策を進める必要性が一層高まっています。
一方、物理的リスクは多様なハザードが複合的に影響するため、特に中堅・中小企業にとっては分析に多大な労力を要し、「何から着手すべきか分からない」「どのように検討を進めるべきか分からない」という課題も多く聞かれます。本ホワイトペーパーでは、そうした課題に応え、第1弾のホワイトペーパーで解説した物理的リスク分析手法の4ステップ(①リスク重要度の評価、②シナリオの定義、③事業インパクト評価、④対応策の定義)のうち、「①リスク重要度の評価」に焦点を当て、詳細な事業インパクト評価に先立ち、簡易なスクリーニングで優先度の高いリスクを絞り込む実践的な方法を提案しています。この方法により、企業は自社にとって重要なリスクを見極め、限られたリソースをそのリスクの分析や対策に効果的に配分できます。また、投資家にとっても、企業がどのような情報・プロセスで物理的リスクを分析しているかを理解する参考となり、レジリエンス強化に向けたより有意義な対話・エンゲージメントにつなげるための一助になると考えています。協議会はこのような効果を通じて、企業が実践的に気候変動対応を進め、その結果として社会のレジリエンス向上に資することを期待しています。
EY Japan EY気候変動・サステナビリティ・サービス パートナー(EY新日本有限責任監査法人)尾山 耕一のコメント:
「地球温暖化を抑制するために、世界中で脱炭素社会の実現に向けた努力が続けられています。その成否にかかわらず、既に温暖化の影響としての自然災害の激甚化とその被害が相次いでいます。企業が持続的にビジネスを継続し、企業価値を高めていくため、自然災害に対するレジリエンスを強化することは急務です。協議会として、参加企業の皆さまと研究や議論を行い、企業の自然災害レジリエンス強化の一助となる情報発信を今後も継続していく所存です」
ホワイトペーパーのダウンロード
「民間企業の自然災害リスク分析・対策の実践 ― 企業にとって重要な物理的リスクの特定」(PDF:4.37MB)
気候変動レジリエンス強化協議会について
本協議会は、「気候変動の進展による気象災害の激甚化や地震等に対して、日本や世界の企業の経済活動を支えるために、財務影響をはじめとしたリスク評価手法や実効性のある対応策の策定に関する知見を深め、社会のレジリエンス強化に貢献するナレッジの開発・普及を進める」ことを目的として、有志の民間企業から構成される自発的な協議体です。
2026年6月現在では、株式会社ウェザーニューズとEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社が事務局を務め、東京海上日動火災保険株式会社、東京海上ディーアール株式会社、東京海上ホールディングス株式会社、日本電気株式会社、三井住友信託銀行株式会社、株式会社三菱UFJ銀行が参画しています。
気候変動へのレジリエンス向上に向けた取り組みに関心を持ち、企業の持続的成長と社会全体のレジリエンス向上に貢献したい企業・団体の参画をお待ちしております。
気候変動レジリエンス強化協議会に関するお問い合わせ先:気候変動レジリエンス強化協議会 事務局 climate.resilience@jp.ey.com
EYについて
EYは、クライアント、EYのメンバー、社会、そして地球のために新たな価値を創出するとともに、資本市場における信頼を確立していくことで、より良い社会の構築を目指しています。データ、AI、および先進テクノロジーの活用により、EYのチームはクライアントが確信を持って未来を形づくるための支援を行い、現在、そして未来における喫緊の課題への解決策を導き出します。EYのチームの活動領域は、アシュアランス、コンサルティング、税務、ストラテジー、トランザクションの全領域にわたります。蓄積した業界の知見やグローバルに連携したさまざまな分野にわたるネットワーク、多様なエコシステムパートナーに支えられ、150以上の国と地域でサービスを提供しています。
All in to shape the future with confidence.
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EY新日本有限責任監査法人は、EYの日本におけるメンバーファームであり、監査および保証業務を中心に、アドバイザリーサービスなどを提供しています。詳しくはey.com/ja_jp/about-us/ey-shinnihon-llcをご覧ください。
