マリーンズの若き新守護神として最後のマウンドに君臨している。横山陸人投手が5月に11セーブ。2013年の益田直也投手が持つ月間10セーブを抜いて、月間セーブ数の球団新記録を打ち立てた。
「ビックリですよね。球団記録は全然、知らなかった。そういう記録があることを知らなかった。その時はあまりピンと来なかったのですが、益田さんや小林雅英さん。これまで記録された皆さまの名前を見て、すごいことだなあと後々、思った」と24歳右腕は喜んだ。
思えばあの日の失敗以降、セーブを重ねた。忘れたくても忘れられない試合は5月8日の福岡でのホークス戦。2点リードの九回にマウンドに上がり、3失点。セーブに失敗をして負け投手になった。
「打たれた試合の後は、あんまり眠れない。ベッドに入って、目をつぶったら打たれるシーンが出てくる。めちゃくちゃ自分に腹が立つ。考えないようにしようと思っても、死ぬほど、そのシーンが浮かんでくる。ああすればよかったとか、いろいろと考えてしまう」と横山が言うように、眠れない悔しい夜を過ごした。
ただ横山の近くにはいつも通算248セーブを挙げている偉大な大先輩がいる。この時も翌日、球場でグラウンドにいると自然と横にいてくれたのが益田直也投手だった。
「打たれた次の日は、どうしても気分が落ち込む。周りとも話をしたくない気持ちにもなる。そういう雰囲気も出てしまう。でも、そんな中、益田さんはいつもと変わらず、自然と接してくれる。そうやって話をするうちに紛れる」と横山。
たわいもない会話を交わしたが、何げない普通の時間が気持ちを和らげてくれた。気持ちを切り替えてリスタートすることができた。翌5月9日に早速、リベンジの機会が訪れ、セーブに成功をすると、そこから安定感抜群の投球を続けた。
「正直、最初の頃は自分の納得のいくボールを全く投げることができていなかった。だましだましやっていた感じ。ここにきて、身体もしっかり動いてきて、状態が上がっている。イメージ通りの腕の振り。変化球の質。今はシンカーもスライダーも自信を持って投げることができている」と胸を張る。
そして尊敬するレジェンド先輩の存在に感謝をする。ブルペンにはいつもさまざまな経験を重ねてきた益田がいる。その安心感がマリーンズの鉄壁のブルペン陣をつくり上げている要因の一つだ。
「本当に益田さんって、すごいなあと思います。すごい方と一緒に野球をやっている。いろいろな場面を乗り越えて、248回、セーブをしている。そんな人がいつも近くにいるのは本当にありがたい。一緒に時間を過ごせて野球ができるのは幸せなこと」と横山は尊敬のまなざしをレジェンド右腕に向ける。
6月4日のスワローズ戦(神宮)では今季20セーブ目を記録した。今シーズン12球団最速の大台突破だった。「やっぱり勝利の瞬間が一番うれしい。ウイニングボールを渡す瞬間は最高」と言う。これからも若き守護神は勝利を決める最後のマウンドに上がる。
(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)