チーム今季2度目のサヨナラ勝ちを決めたのは正捕手の一打だった。6月11日、ZOZOマリンスタジアムでのドラゴンズ戦は激戦となった。両軍譲らず。試合は延長十回に突入した。2死一、三塁のサヨナラ機。打席に向かう佐藤都志也捕手にサブロー監督は声をかけた。
「オマエの悪いパターンは初球のストライクを見逃して、次のボール球を振って追い込まれること。ストライクが来たらガンガン振っていけ」
佐藤都志也自身にも思い当たることはあった。だから、その言葉がスッと胸に入り、打席に立つことが出来た。1ボールから2球目のストライクゾーンに来たボールを迷いなく強振した。打球は一塁手のグラブをかすってライト方向に転がっていった。自身4年ぶりのサヨナラ打。ちなみにプロ初ヒットもサヨナラ打だった。プロ1年目の2020年6月27日。当時、バファローズに在籍をしており現在はチームメートの沢田圭佑投手からだった。そして、この日は勝ち投手が沢田。「なんか縁を感じました」と試合後、ヒーローになった佐藤都志也は笑った。
5月14日のファイターズ戦(ZOZOマリンスタジアム)から、バットには自らマジックで「香車」と書き込んだ。サブロー監督からバットを最短で振り込みストレートに負けないスイングをするうえで将棋の駒を引用してアドバイスされた。香車は将棋盤の両端に位置し、前方なら一直線に何マスでも進める駒だ。その駒のように相手投手のストレートを真っすぐ打ち返すイメージとして伝えられた。これが佐藤都志也にはピッタリとハマった。5月14日の試合で5号2ランを放つと調子を上げた。4番に座る試合もあった。攻守ともにチームの要として活躍を続けている。
サブロー監督からは、いつもここぞというタイミングでアドバイスを受ける。打撃不振で悩んでいた4月には「オレは現役時代に利き手をバットに添えるくらいの感覚にしてから打てるようになった。そんなにガチガチに力んで握っていたら打てないんじゃないかな」という話を聞かされた。そこから、それを実践し状態を少しずつ上げていった。「タイミングの取り方とかいろいろと教えていただける。いつもその言葉を意識して打席に入ると不思議と良くなる」と感謝をする。
正捕手の躍動とともにチームも調子を上げた。交流戦は10勝6敗2分けで終え、交流戦前までは四つあった借金を返済。勝率5割とした。そしてレギュラーシーズンへと戻る。ここからも攻守の要として背番号「32」がチームを引っ張る。バットとリードで勝利へと導く。
(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)